思春期のからだの変化、いつ・どう話す?8〜10歳の子への伝え方

なっちゃんと8〜10歳くらいの子どもが、絵本を見ながら思春期のからだの変化について話すイラスト 小学生の性教育

「思春期の話、いつからしたらいいんだろう?」

まだ体に変化が見られない8〜10歳でも、友達との違いが気になったり、学校や動画で聞いた言葉を質問したりすることがあります。変化が始まってから慌てないよう、少しずつ話しておくと安心です。

前回の5〜7歳のプライベートパーツの記事では、「自分のからだは自分で決めていい」という土台を紹介しました。今回はその続きとして、思春期の体の変化を家庭でどう伝えるかを考えます。

話すきっかけがあったら、変化を前向きに伝える

子どもが「生理って何?」「声が変わるの?」と聞いたとき、学校で体の変化を習ったとき、子ども向けの本やテレビの話題が出たとき。そんな会話のきっかけを逃さず、まずは子どもが知りたいことから話してみましょう。いきなり長く説明する必要はありません。

思春期には、身長や体つき、胸や性器の発達、体毛、声、汗のにおいなど、さまざまな変化が起こります。月経や精通が始まることもあります。ただ、変化の種類や順番、始まる時期には個人差があります。[1]

たとえば「どうして友達と体つきが違うの?」と聞かれたら、こんなふうに続けられます。

「体が変わるのは、大人になる準備をしているからだよ。これから少しずつ変わっていくけれど、始まる時期は人それぞれ。友達と同じじゃなくても大丈夫だよ。気になることがあったら、いつでも聞いてね」

「早い・遅い」で比べたり、ほかの子の体を話題にしたりせず、その子の疑問に合わせて伝えましょう。体の変化が急に進む、痛みが強いなど気になることがあれば、小児科などに相談できます。

月経や精通は、どの子にも説明していい

「女の子には月経、男の子には精通の話だけ」と分ける必要はありません。自分の体に起こることだけでなく、ほかの人に起こる変化も知っておくと、驚いたりからかったりせずに受け止めやすくなります。[2]

月経について──まず「子宮って何?」から

「子宮から血が出る」だけでは、子宮を知らない子にはイメージしにくいですよね。最初に子宮は、おなかの中で赤ちゃんが育つ場所だと伝え、その次に月経の仕組みを話します。

「女の人のお腹の中には、赤ちゃんが育つ『子宮』という場所があるよ。体が大きくなると、子宮の中は赤ちゃんが過ごしやすいように、内膜というふかふかのベッドみたいなものが育って、赤ちゃんを受け入れる準備をするんだ。妊娠していなければ、だいたい月に1回、その内膜が剥がれて血と一緒に身体の外にでるの。それが『月経』だよ。『生理』ともいうんだよ。」

「ふかふかベッド」は、子宮内膜をイメージするためのたとえです。成長すると体が妊娠に備える変化をする、という説明であり、「赤ちゃんを産まなければいけない」という意味ではありません。質問が続けば、卵子や受精についても子どもの理解に合わせて話せます。[5]

生理用品の置き場所や使い方を一緒に確認しておくと、外出先や学校で始まったときにも落ち着いて対応できます。[3]月経中の痛みやつらさを「みんな我慢するもの」と決めつけず、困ったら相談していいことも伝えておきましょう。

精通について

「男の子は、小学校高学年から中学生ごろにかけて、体の中で『赤ちゃんのもとになる精子』が作られるようになるんだ。

成長すると、おしっことは違う、白っぽい液体(精液)が体から出ることがあるよ。初めて精液が出ることを『精通(せいつう)』というんだ。寝ている間に自然に出ることは『夢精(むせい)』というよ。夢を覚えていないこともあるよ。

これは体が成長する中で起こりうる自然な変化だよ。朝起きて下着や布団が汚れていても、びっくりしなくて大丈夫。悪いことじゃないからね」[4]

下着が汚れたときの洗濯の仕方など、生活のことも一緒に伝えられます。本人が恥ずかしがる場合は、ほかの人の前で話題にせず、話しやすい場所と時間を選びましょう。

突然質問されたときは、短く答える

「生理って何?」「声はどうして変わるの?」と聞かれたら、その場で全部説明しようとしなくて大丈夫。まずは質問に短く答え、もっと知りたそうなら続きを話します。

「いい質問だね。体が大人に近づくときに起こる変化の一つだよ。もう少し詳しく聞きたい?」

答えが分からなければ、「調べてから一緒に話そう」で大丈夫です。大事なのは、質問を笑ったり叱ったりせず、また聞ける雰囲気をつくることです。

家庭でできる、さりげない準備

  • 思春期の体を扱った子ども向けの本を、一緒に読める場所に置く
  • 月経用品や清潔な下着の場所を共有する
  • 着替えや入浴では、子どものプライバシーを大切にする
  • 体つきの変化をからかったり、本人の許可なく人に話したりしない

会話は一度きりの「特別な授業」にしなくても大丈夫。テレビや本、買い物の場面などで、少しずつ言葉を重ねていきましょう。

まとめ

  • 8〜10歳ごろから、体の変化が始まる前に少しずつ話せる
  • 始まる時期や変化には個人差がある
  • 月経と精通は、どの子にも落ち着いて説明していい
  • 困ったときに相談できることと、具体的な準備を伝える

「何でも聞いていいよ」という言葉と、子どもの体や気持ちを尊重する普段の関わり。その積み重ねが、思春期を安心して迎える助けになります。

おすすめの参考図書

親子で性について話すときの参考に、私も読んでいる『マンガでわかる 子どもと一緒に楽しく学ぶ性教育』(遠見才希子 著、荻並トシコ イラスト、ナツメ社)もおすすめです。マンガを交えながら、子どもへの伝え方や、親子で話すきっかけを考えられる一冊です。

参考資料

  1. 文部科学省『「生きる力」を育む小学校保健教育の手引』(思春期の体の変化、初経・精通と個人差)
  2. NHS Scotland, Puberty(どの子にも多様な体の変化を伝えること)
  3. American Academy of Pediatrics, Physical Development in Girls: What to Expect During Puberty(月経前の準備と相談しやすい対話)
  4. American Academy of Pediatrics, Concerns Boys Have About Puberty(睡眠中の射精と家庭での説明)
  5. American College of Obstetricians and Gynecologists, Your Changing Body: Puberty in Girls(妊娠に備えた子宮内膜の変化と月経)

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